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星野リゾート・星野代表が語る「インバウンド以上に大切なこと」

星野リゾート代表取締役社長・星野佳路さんが語る、日本が真の観光立国になるために必要なこととは? 

国内外展開のスケールメリット

 運営に集中することで展開のスピードがはやまり、実績も上がり、事業領域も拡大しています。来春より北海道・旭川グランドホテルを運営するなど、星野リゾートの都市型ホテルへ参入も今後注目です。「ビジネスホテルが都市観光の宿泊拠点になっている現状があります。まずは旭川でビジネスホテルの新しいやり方を模索したい。新たな事業に関しても、それが戦略に基づいた展開であれば社員は納得できると思っています」と星野代表は話します。

 このように全国に拠点を持つことのスケールメリットが目に見える形でおきています。グループ施設を周遊するリピーターの増加がまずあげられますが、それ以外にも、自然災害をはじめ予測できない事態が起きた時に、グループ全体でそれを補う力があることなどが考えられます。

 例えば、福島県にある同社の「アルツ磐梯」と「猫魔スキー場」は2011年に発生した東日本大震災による原発事故の風評被害に加えて、2015年はエルニーニョ現象の影響を受け暖冬となり、近年にない雪不足にみまわれました。
「アルツ磐梯は雪不足に悩まされ売り上げを落としました。ですが2つのスキー場を一体経営してきたことが幸いして、北斜面にあるため雪が残る猫魔スキー場は2015年より売り上げが上がり、アルツ磐梯の損失を補填することができました」と星野氏は語ります。

「海外営業を行っていて、福島県の風評被害が世界中に根深くあることを痛感します。福島の施設は星野リゾートにとって難易度の高い案件になっていますが、現在の私の時間の多くを福島の再再生のためにあてています。周りは難しいと言うけれども、もう一度インバウンドも狙い頑張っていきたい」(星野氏)

 

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